人間には自分自身の自由を手に入れるだけの何らかの力量が必要だと思う。
教育というのはそのためにある。

デジタルハリウッド大学の春のオープンキャンパスに向けて、学長の杉山知之氏に大学運営にかける思い、そして未来の受験生へのメッセージを水上と大神の2名でうかがってきました!

杉山知之学長

デジタルハリウッド大学学長 杉山知之氏

工学博士。1954年東京都生まれ。87年よりMITメディア・ラボ客員研究員として3年間活動。90年国際メディア研究財団・主任研究員、93年日本大学短期大学部専任講師を経て、94年10月デジタルハリウッド設立。2004年日本初の株式会社立「デジタルハリウッド大学院」を開学。翌年、「デジタルハリウッド大学」を開学し、現在、同大学・大学院・スクールの学長を務めている。

デジタルハリウッド大学設立秘話

Q.

デジタルハリウッド誕生のきっかけを教えてください。

水上 芳樹
杉山知之学長
A.

21世紀にはコンピュータとネットワークが空気のような存在になり、人間生活に欠かせないものになると考えていた。そのうえで、ただコンピュータを使うだけでは不十分で、コンピュータを利用してモノを表現できる人間を増やさなければと。

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水上:本日はお忙しいところお時間をいただきありがとうございます。

大神:まずはデジタルハリウッド大学誕生のきっかけについて教えてください!

杉山:1994年に社会人向け専門スクールを設立した時から、21世紀にはコンピュータとネットワークが空気のような存在になり、人間生活に欠かせないものになると考えていた。そのうえで、ただコンピュータを使うだけでは不十分で、コンピュータを利用してモノを表現できる人間を増やさなければと。

大神:90年代前半って、オレはまだ幼稚園とかだったっすけど、その頃にコンピュータの時代を見据えるって、すごい……!

杉山:ところがそのスキルが身についても、就職して役立てられなければ困ってしまう。その当時コンピュータの技術を仕事として考えると、やはりCGだったんです。当時はCGを扱える人材は少なったから。ゲーム会社だって、社内で数人しか取り扱えないような時代でした。

水上:おっしゃるとおりです。実際、僕たちの前身である会社でも、有名なゲームの初期の開発チームにはデジタルハリウッドの出身者が多かったですから。

杉山:だって、当時は他に学校なかったからね。今でもチームの半分くらいがうちの卒業生なんて現場がいくつもあってね、出かけていくと「学長!」なんて手を振ってもらえたりするよ。

大神:やっぱりCGといえばデジタルハリウッドってことっすね。

杉山:そういうわけで、まずはCG、それからすぐウェブの波が来て、ウェブクリエーターを育てるようになりました。この2つはつまり、コンテンツ業界ができて、そこで活躍する人材を育てているということなんだよね。でもそれをどう考えていたかというとNEXT AGE GENERATOR(ネクステージジェネレーター)という言い方を会社ではしているんだけど、次の世代を創る人を育てているということなんだと。

水上:ネクステージジェネレーター、ですか。ぜひ詳しくきかせてください。

杉山:きっかけはコンテンツ産業、エンターテインメント産業かもしれないけれど、やがてこの波は全産業が巻き込まれていくものになると思っていた。だから、その時にはもう21世紀には大学院をつくろうと思っていたんだ。

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大学院、そして四年制大学の開設へ

Q.

スクールから大学院、そして大学の開設にいたった思いをきかせてください!

大神 勇人
杉山知之学長
A.

世界でビジネスする人を育てようとしたとき、やっぱり語学力の大切さを痛感させられたんだ。

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大神:まずは大学院をつくろうとしてたんですね? 大学ではなく?

杉山:当時の僕たちはベンチャーだったからね、大学はあまりに規模が大きすぎてできないと思っていた。イメージしてたのはモノづくりの職人に対して、仕事を発注できるプロデューサーを養成するための大学院で、そこでリーダーを育てようとしていた。

水上:そして2004年に大学院を設立されたんですね。その翌年にはいよいよデジタルハリウッド大学設立となるわけですから、本当にスピーディですよね。

杉山:当時の構造改革とか、いろいろな流れをうまく活用したわけだけど、はたしてこの流れがいつまで続くか、という指摘が一緒にやっていた人たちからもあってね。それだけじゃなくて、大学院をつくって、世界でビジネスする人を育てようとしたとき、やっぱり語学力の大切さを痛感させられたんだ。大学院2年で社会人が語学を修めるのは難しい。大学4年間なら、語学も、スキルも、もちろん教養も身に着けたうえで、大学院を目指す道も提供することができる。

大神:いよいよ世界で活躍するリーダーを育てる環境が整ってきたんすね!

杉山:世界といえば、当時は「アニメやゲームの本場である日本でCGを学びたい」っていう外国の学生の希望も多くてね。四年制大学なら留学ビザもだせるようになる。

水上:それが現在のデジタルハリウッド大学の特色でもある、語学留学にとどまらず、技術を学べる留学制度へもつながってくわけですね。

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デジタルコミュニケーション学部とは

Q.

デジタルハリウッド大学は学部が1つですけど、その理由を知りたいです!

大神 勇人
杉山知之学長
A.

僕はデジタルコミュニケーションは横に串ざす学問だと思ってるんだ。

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大神:そうして生まれたデジタルハリウッド大学の特徴といえば、学部がデジタルコミュニケーション学部1つに絞り込まれてるところですよね?

杉山:それは大学設立にあたってのコンセプトと言えるところでね。僕はデジタルコミュニケーションは横に串ざす学問だと思ってるんだ。

水上:これまでの大学というと、専門性を深堀して、ゲームやアニメなど分野ごとに掘り下げていく方向性が主流ですから、横串というのは特徴的な発想ですね。

杉山:デジタルの世界はゲームもアニメも横に串ざさないとビジネスにならないからね。ワンソースマルチユースなんて言い方もあるように、あらゆるコンテンツがあらゆる商品に展開しあって知財ビジネスを構築しているのが実態だよね。

大神:実際ほんとにその通りです。

杉山:だからうちはなんでも習えて、4年たったら得意分野ができると思うけど、友達はまた違う得意分野を持っていて、互いにコミュニケーションできる環境をつくろうとしたんだよ。違う専門性を持つ相手の言っていることがわかる、コミュニケーションができるというのは社会に出たときに絶対に役に立つ。

水上:その思いは、卒業生の活躍を拝見する限り、確実に実現されていますね。

杉山:とくに卒業してフリーランスで活躍してる子なんかは、ほんとになんでもやってたりするからね。絵も描く、写真も撮る、動画も作るし、VFXもちょっとやっちゃう、なんて形で生き残ってる。そういう人材って、出発点がエンターテインメントでも、他の産業でも欲しがられるような人材だと思う。どこに転職しても、この大学で学んだことが必ず役に立つ、そういうスキルを身に着けてもらってる。

大神:ウェブとかデジタルと無縁な業界の方が今は珍しいっすからね。

杉山:実際そうやって、卒業生の活躍の場は広がってる。信用金庫でウェブでの情報発信を担当してる卒業生もいるし。

水上:大きな会社であればあるほど、デジタル分野に通じていて、的確な発注や管理ができる人材が求められる時代と言えるかもしれませんね。

杉山:そう、ちょっとしたことは自分でやって、もっと大きなものをつくる時には、ちゃんと内部のことをわかった上で、外部の力を上手に活用して思い通りのものをつくりだせる、そんな人材を育てられるのがデジタルコミュニケーション学部だと思ってるよ。

水上:とても実践的なコンセプトが貫かれているんですね。在学中から外部とともに仕事をしたり、プロジェクトに参加したりする機会もあると伺いました。

杉山:卒業生たちの活躍のおかげもあって、コンテンツ産業の人はデジタルハリウッドの学生ですっていうととりあえず話を聞いてくれるんだよね。スクールの時代から考えれば、卒業生は今まさに業界の中核を担っていて、プロデューサー的な立場で活躍している人も多いから。

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デジタルハリウッド大学の学生たち

Q.

デジタルハリウッド大学の学生さんって、みんな物怖じしないチャレンジ精神旺盛な人たちなんですか?

大神 勇人
杉山知之学長
A.

いやいや、最初はみんな物怖じしますよ。というか、ちょっと傷ついてる人が多いかも。

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大神:チャンスがいっぱいあるんですね。じゃあ学生さんはみんなどんどん物怖じしないでチャレンジしていくタイプが多いんですか?

杉山:いやいや、最初はみんな物怖じしますよ。というか、ちょっと傷ついてる人が多いかも。

水上:それは意外です。傷ついている、というと?

杉山:本当の自分を今まで表に出せなかった子が案外多いんだよ。アニメやゲームが大好きだってことを言うとオタク扱いされるから普通の子のフリをして生きてきてる。ぽろっとそういう一面を見せてしまって、いじめられた経験があったりもする。でも、うちの大学にくると、まわりには同じような興味関心を持ってる人がいるんだよね。

大神:な、なるほど……! それで自分をじょじょに解放できるんですかね?

杉山:1年生でまわりと打ち解けていくと、今まで隠してきた部分をみんなが同じように持っていることに気づいて、自由になれる。

水上:学生同士の仲が良さそうですね。

杉山:それはもちろん。最近は先輩後輩の関係性もすごくいいんだよ。教員と学生も仲がよくて、一緒に話ができる環境ができていると思う。

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オープンキャンパス実施の狙い

Q.

オープンキャンパスの狙いを教えてください。

水上 芳樹
杉山知之学長
A.

パンフレットで一生懸命説明しても、なかなか伝わらないもどかしさがある。実際にオープンキャンパスに何回か来てもらって、他の大学と違う文化や雰囲気に気付いてほしい。

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杉山:だから、オープンキャンパスでは今話したような大学の雰囲気を伝えたいと思ってるんだ。高校生にとって大学のイメージって、もっと堅苦しいような気がしていて。

水上:たしかに、実際に大学生になるまでは見えづらい魅力ですね。

杉山:パンフレットで一生懸命説明しても、なかなか伝わらないもどかしさがある。実際にオープンキャンパスに何回か来てもらって、他の大学と違う文化や雰囲気に気付いてほしい。それは保護者の方々も同じで、彼らが学んだ大学との違いをオープンキャンパスに来ることで感じてほしいと思っています。

大神:だから、オープンキャンパスの講演が大事なんですね。

杉山:卒業生に登壇してもらったり、在学生に話をしてもらったり、いろいろやっているよ。そういうナマの声を伝えていきたいと思ってる。一番大事なのはデジタルハリウッドの文化をわかってもらうことだと思う。

水上:それを踏まえて、僕たち「城崎広告」に今回期待されることはなんでしょうか?

杉山:一言でいうと拡散力だね。「城崎広告」はTwitterやウェブで積極的に発信して、コミュニケーションをとろうとしているから。そういう柔らかさで、まだうちを知らない人にも、デジタルハリウッドの文化をうまく伝えてもらえることを期待してます。

大神:もちろんっす! 全力でがんばります!

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デジタルハリウッドの学風

Q.

デジタルハリウッドの学風を一言で言うと?

水上 芳樹
杉山知之学長
A.

うちの学風というと……「みんな好き勝手にやれば」って感じかな。

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水上:デジタルハリウッドの文化、学風についてもう少し詳しく伺えますか?

杉山:うちの学風というと……「みんな好き勝手にやれば」って感じかな。

大神:それは大胆っすね!

杉山:僕たちに希望をどんどん言ってもらって、上手に使ってほしいと思ってる。面倒を見てほしいタイプの学生は一生懸命面倒みるし、好き勝手にやってるから多少大目に見て、放っておいてくれという学生は自由にさせるし。

水上:きめ細やかなサポートと自由放任が両立できるというのは大変珍しいですね。

杉山:せっかく大学の4年間だから、楽しくやってほしいと思ってます。その上で、身に着けてほしいスキルをちゃんと得られるように、カリキュラムを用意している。

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デジタルハリウッドの求める学生像

Q.

デジタルハリウッド大学で羽ばたけるのはズバリどんな人ですか?

大神 勇人
杉山知之学長
A.

今は壁にぶつかっていたり、悩んでいたり、世の中や自分に不安を感じていても、どこかで自分を信じられる人、かな。ほんのちょっとでも将来に夢や希望を持てる人、と言ってもいいかもしれない。

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大神:そういう懐の広いデジタルハリウッド大学で羽ばたける学生って、どんな人なんですかね?

杉山:たとえば、今は壁にぶつかっていたり、悩んでいたり、世の中や自分に不安を感じていても、どこかで自分を信じられる人、かな。ほんのちょっとでも将来に夢や希望を持てる人、と言ってもいいかもしれない。

水上:希望ですか。高校生くらいだと、まだ将来のことが漠然としていたりするのが普通なのかもしれませんが。

杉山:そうだよね。でも、とにかく完全に諦めきっていない人なら、うちはそれぞれの学生にいろいろなチャンスを提供できると思う。とにかく引き出しが多いからね。教員に実務家が多いというのもあって、在学中から仕事を紹介することもあるし、業界で働く人に会いたいという学生がいれば、うまくマッチングすることもできる。

大神:きっかけがものすごくたくさんありそうですね!

杉山:「何か」になりたいという学生に、それはダメという文化はない。それで、4年生くらいになって、社会人大学院生と関わる機会が増えてくると、うちの大学院にいる社会人院生って、めちゃくちゃな大人というロールモデルの宝庫なんだよね。大人はちゃんとしていなきゃいけないと思う学生は結構いるんだけど、現実には案外ちゃんとしていない、自分勝手な大人がいっぱいいるってことに気づける。

水上:それは多くの大学では気づけないことですね。

杉山:いくつになっても学んでいいということを実感してもらえるのもポイントかな。大学を卒業したら終わりじゃなくて、いつでも戻ってこられると思ってほしい。実際、卒業生が普段からよく出入りしてるしね。

大神:それもまた、いいロールモデルになりますよね!

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受験生へのメッセージ

Q.

デジハリを目指そうと考える人へのメッセージをお願いします!

大神 勇人
杉山知之学長
A.

自分がワクワクする仕事ができる大人になれるように、大学を利用してほしいと思います。

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水上:それでは受験生、そしてこれから学びたい人に向けたメッセージをいただけますか?

杉山:これまで人間が苦しんでやってきた仕事の大半をAIやロボットがやってくれる時代が来ようとしています。だからこそ、これからは人間だからこそできる楽しくて面白い仕事ができる世界に変わろうとしているということを知ってほしい。これをチャンスだと思ってほしい。自分がワクワクする仕事ができる大人になれるように、大学を利用してほしいと思います。

大神:大学で勉強しろ、じゃなくて「利用してほしい」っていうのは新鮮です。

杉山:たとえば、授業に出て何か新しい知識を手に入れることも、グループワークに参加することも、とにかく大学でできることを経験してみるというのがまさに利用するということじゃないかな。

水上:大学という教育機関ですが、個人の自由や自主性を強く意識されているんですね。

杉山:人間って根本的には大きく他人に迷惑をかけないなら、自由闊達に生きていいと思う。だけど、自由に生きるためには何も知らない、何もできないままでは難しくて、ともすれば自由に生きたいという思いを誰かに利用されて、搾取されてしまうことだってありうる。だからこそ、僕は人間には自分自身の自由を手に入れるだけの何らかの力量が必要だと思う。教育というのはそのためにある。その最後の仕上げをさせていただくのが大学教育だと思っています。

大神:自由に生きるために教育がある……かっこいいっす……

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オフトーク

ここからは、インタビュー中に出てきた杉山学長の秘密が満載のオフトーク!?「学長のファッションのルーツ」「学長はどんな大学生だったの?」「MITメディアラボ出身の秘話…」何故、「デジタルハリウッド」という社名になったのか、などの初だし情報満載のオフトーク!

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